“彼の名は。” 名も知らない虫たち ⑭

2018.07.07

“彼の名は。” 名も知らない虫たちシリーズも、今回で14回を迎えました。

さて、本日紹介するのはこちら。

彼の名は、マメコガネ。漢字をあてるなら“豆黄金”でしょうか?体長8-15mmほどの小型のコガネムシです。
日本の在来種で緑色と赤銅色に輝く景気のよさそうなキレイな昆虫です(色が表現できなくて残念です)。
これまで紹介した農業害虫の中でも比較的大きく、カブトムシやクワガタムシに近い仲間であることから馴染みやすく、近くにいてもそれほど気嫌いすることもなさそうなイメージですね。

ところが、彼の英名はジャパニーズビートル(Japanese Beetle)、西野ジャパンと、ネイマール率いるブラジルを破ったベルギーのサッカーチームが “赤い悪魔” と呼ばれているように、海外では日本からの “小さな侵略者” と恐れられています。アメリカのミネソタ州あたりでは、毎年夏になると大発生し、トウモロコシなどに甚大な被害を出しているようです。

成虫による葉の食害だけでなく、土の中の幼虫も根を食べるため、タチの悪い害虫として世界中で忌避されています。特に厄介な土中に潜む幼虫防除のためには、いくつかの殺虫剤が販売されてますが、防除は簡単ではありません。

こんな彼らですが、実は小規模な家庭菜園やポット植え植物であれば、案外お手軽な防除方法があるんです。
例えば、百均でも買えるバークチップ。これをポットやプランターの作物の株元に敷きつめても効果があるようです。実際に我が家ではブルーベリーをそうやって栽培しています。小さな侵略者にお困りのみなさんは、ぜひお試しください。

14回を数えた “彼の名は。” 名も知らない虫たちシリーズは、今回で一旦最終回にさせていただきます。

これまでお付き合いいただきました読者のみなさん、どうもありがとうございました。

また別のテーマでこのブログ上でお会いできればと思います。

開発部:瀬古

 

 

 

  • この記事いいね! (26)

“彼の名は。” 名も知らない虫たち ⑬

2018.06.24

朝露に濡れるイネの葉も、ヒグラシの声を背景に夕陽に染まる水田の水面も、田園風景はなぜか日本人の心をホッとさせる雰囲気があります。

ところがこの時期、ベトナム辺りから中国大陸経由でジェット気流に乗ってここに飛んでくるヤツがいます。稲作の生産者さんにとっては毎年気の抜けない、そう、彼の名はトビイロウンカ。

日本に飛来するトビイロウンカは、別名 “秋ウンカ” と呼ばれ通常長い翅をもっています。

この時期飛来する数は大したことはないのですが、文字通りこのあと秋にかけて猛烈にその数を増やします。ある条件が整うと、似顔絵のような翅の短いおデブなトビイロウンカが現れます。これがまさに悪の根源。

見るからに不格好なこのタイプは、増殖のためだけに出現したような個体で、産卵数が恐ろしく多く爆発的な密度の増加を招きます。知らずに放っておくとときに坪枯れ(写真)の要因となり、こうなってしまうと収穫が望めません。

今のうちから今年の飛来の様子について情報収集し、それぞれの地域の防除指針に従って適切な対策の準備をお願いします。

開発部:瀬古

 

  • この記事いいね! (26)

“彼の名は。” 名も知らない虫たち ⑫

2018.06.02

本シリーズは、年明けから月2回のペースでお届けしておりますが、いつの間にか12回目を迎えるまでになりました。最近は似顔絵も1枚描くのに1時間近くもかかるくらいガッツ入ってきています。コメントについても、できる限りブログならではのものにしたいと思います。引き続きどうぞよろしくお願いします。

今回の彼の名は、ハスモンヨトウ。毛がないケムシみたいなやつです。

   

親の蛾が卵塊(卵の塊)を生み、そこから幼虫がはい出てきます。作物の葉を食べ、脱皮を繰り返して成長しますが、3令幼虫までは淋しがり屋で、集団生活をします。そのあとは独り立ちし、6令まで成長した後、脱皮して蛹になります。農家さんにとっての大問題は、この独り立ちした後の中老齢幼虫です。

何が大問題かって、そのすさまじいまでの食欲、大食いタレントのギャル曽根さんもビックリです。

昼間は草影でわりとじっとしていますが、陽が暮れると、食べる食べる、そしてまた食べまくる。作物の葉はもちろん、茎だろうが、蕾だろうが、花だろうが、とにかくムシャムシャ食べ尽くします。

ここでいきなり問題です。

“ヨトウ”って漢字でどう書くと思いますか?

ズバリ“夜盗”です。

雑食性のこの害虫は、大切に育てた作物が、あたかも夜のうちに盗まれてしまったようなダメージを与えるところに由来しているんでしょうね。

開発部:瀬古

 

  • この記事いいね! (24)

“彼の名は。” 名も知らない虫たち ⑪

2018.05.22

いきなりですが、読者のみなさん「アザミウマ」って虫の名前を聞いたことありますか?

「アザミ」って花はご存知の方も多いでしょうが、「ウマ」って何?
まさか暴れん坊将軍がまたがってるあの馬のはずがありません。
いや実は、アザミウマのウマはあの馬だそうです。 

ニンテンドーSWITCHや、スマホゲームなどがないその昔(明治時代)、アザミの花をとって「馬出よ、牛出よ」と唄いながら手のひらにポンポンと叩くと、体長2-3ミリの小さな虫が出てきて、その数を競った遊びがあったようです。それがこの名の由来になったとか。どうして「馬でよ、牛出よ」なのかはよくわかりませんが、ひょっとしたらこの害虫、「アザミウシ」って呼ばれたかもしれませんね。

農業分野では、野菜や果樹の大害虫です。
その仲間で、今回の似顔絵にある彼の名は、ネギアザミウマ。
ネギやキャベツの葉裏に潜んでますので探してみてください。

こんな虫です。

 

開発部:瀬古

 

  • この記事いいね! (25)

“彼の名は。” 名も知らない虫たち ➉

2018.05.03

私が子供の頃、農業を営むおじいちゃんによく言われたことがあります。
『人のためにしっかり働き、家族を養える立派な男にならなくっちゃだめだ』と。

今回紹介するのは、まさにその真逆の害虫です。 

彼の名は、ナモグリバエ。

何が真逆かって?
彼は、家族を養えないダメ男なんです。

ナモグリバエのメスは、お腹の先にある産卵管を上手に使って作物の葉に小さな穴をあけます。こうして葉の内部に卵を産むのですが、その他にもこうして葉にあけた穴からジワジワしみ出てくる汁を吸って生きています。ところが彼、家族を養えないオスは、当たり前ですが産卵管がないんです。ですから、葉に穴をあけられず食事にありつけません。

ではオスはどうやって空腹を満たしているんでしょうか?

答えはこう、自分で喰いっぷちを確保できない彼は、メスの後ろをついて回って、彼女が食べ終わった後のおこぼれをもらうんです。

何とも情けないと思いませんか?
こんなナモグリバエの彼は母性本能をくすぐる何かを持ってるんでしょうか?

開発部:瀬古

 

  • この記事いいね! (31)