“彼の名は。” 名も知らない虫たち ⑨

2018.04.22

前回、強烈なニオイを発して身を守る農業害虫、オオトゲシラホシカメムシを紹介しましたが、今回は、“擬態”という技を使って身を守る害虫を紹介します。

彼の名は、コスカシバ。スカシバの仲間です。

 

カラー写真だとすぐにわかるんですが、似顔絵からでも何となくその雰囲気が伝わりますか?
そう、パッと見はスズメバチと見間違いそうです。
彼らの仲間には、ほんとにそっくりな種類もいるので一度“スカシバ”で検索してみてください。

もちろんススメバチのように刺したりしないのでご安心を!
翅が透けていることからスカシバ(ネ)という噂もあります。 

幼虫はブドウなどの果樹の幹に潜り込み、モグラが土中に穴を掘って進むように幹を食べて進みます。そのため樹勢が奪われ、また固い木の内部にいることから、防除が非常に厄介な害虫となっています。

開発部:瀬古

 

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“彼の名は。” 名も知らない虫たち ⑧

2018.04.07

身を守る手段として強烈なニオイを発する生き物はたくさんいます。
虫の世界でも“カメムシ”はそれなりに有名ですよね。
今回紹介するのはこのカメムシの仲間です。

彼の名は、オオトゲシラホシカメムシ。
似顔絵を見ていただければイメージがつくと思いますが、彼の両肩がとがって大きなトゲのようになっています。
また、背中には白くて丸い紋様が2つあるのが特徴でこの名があるようです。捕まえたとき親指と人差し指で強くつまむとこのトゲがちょっとチクッとします。

カメムシは、臭いニオイのせいで汚いイメージの虫ですが、実はかなりキレイ好きなんですよ。
飼育中はフンで汚れた容器を頻繁に替えて、いつもキレイにしていないとうまく繁殖しません。
また彼らは、若齢幼虫の時期は淋しがり屋さんで他の仲間と狭い空間に一緒にいないと不安になるようです。

翅もありますが、飛翔することはあまり得意ではなく、歩いて水田に侵入し、実った稲穂の汁を吸います。今はもうほとんど見ることはないですが、万一お茶碗の中に、黒く汚れたご飯粒(斑点米って言います)が混じっていたら、それは彼らの食べ残しかも。もちろん害はなく、1粒2粒を普通に食べても問題ありませんのでご心配なく。(ちなみに斑点米ばかりを集めて食べたことがあるんですが、炊きたては少し苦みがあった記憶があります。)

開発部:瀬古

 

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“彼の名は。” 名も知らない虫たち ⑦

2018.03.28

今回の第7弾も、小さい吸汁性害虫です。

前回紹介したアブラムシと同じように、いろんな作物につく微小な吸汁性害虫ですが、似顔絵にあるようにアブラムシよりグロテスクではないです。絵では表現しにくいんですが、シルクのようにやや透き透った純白の翅はとてもきれいで、まるでウエディングドレスのようにも見えます(💦)。

  

彼の名は、コナジラミといいます。ウエディングドレスをまとって見えるなら、彼女ですね。

農作物への被害はアブラムシとよく似ていますので、ご興味ある方は、前回のブログを見ていただければと思います。

今回読者の皆さんにご紹介したいのは、彼らの生活史です。

まず卵から幼虫が出てくると、自分の居心地の良い場所を探して作物の葉の上を歩いていきます。
一度好みの場所が見つかると、しばらくそこでじっと居座ったまま4令期まで過ごしますが、なんとこの間、『脚』がなくなります。カエルやチョウなどのように、途中で脚が生えてくる生き物はいますが、そもそも生えていた脚がなくなる生き物は珍しいんじゃないでしょうか?

そのあと蛹(似顔絵)を経て、成虫となるわけですが、驚くことに成虫はまた脚が生えてきます。
一旦、脚の無くなるあの時期はいったい何だったのか意味わかりません。
誰か教えて-----------!

開発部:瀬古

 

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“彼の名は。” 名も知らない虫たち ⑥

2018.03.17

前回は少し趣向を変えて、一般的には誤解されがちなシロアリを取り上げてみましたが、今回第6弾は、また名も知らない害虫に戻りたいと思います。

今回からは、小さい吸汁性害虫をいくつか紹介したいと思います。

彼の名は、アブラムシです。地域(私の生まれた三重県津市ではそうです)によっては、ゴキブリのことをアブラムシというところもありますが、全く別の生き物です。

彼らは小さな昆虫で、体長1mm前後です。いろんな作物に口針という口を刺して、その汁を吸います。家庭菜園でも普通に見られますが、とにかく小さい虫なので、一匹二匹を見つけるのは根気がいるかもしれません。またとっても弱い虫で、特に敵と戦う武器もなければ、逃げ足が速いわけでもありません(そういった意味では、見つければじっくり観察できますよ。)ですから、天敵であるテントウムシなどがやってくると、どんどん食べられてその数が激減し、ついにはほとんどいなくなってしまいます。

ところが、彼らの最大の特長は、とにかく “数” ・ “数” ・ “数”。仕事でキュウリなどの葉に寄生しているアブラムシを数えたことがありますが、一枚の葉で数百匹という場合もありました。親が赤ちゃんをポコポコポコポコ生んで増えます。増えすぎて居場所がなくなると翅が生えてきて、新たな葉を求めて飛んでいきます。そんなすさまじく増殖した様子をお見せしたいのですが、絵に描こうとすると気が狂いそうになるので、ご興味のある読者の方は、“アブラムシ”・“大発生”で検索してみてください。キモかわいい写真が見つかると思います。

彼らの害は、作物の養分を吸うだけでなく、種類によってはウイルス病を媒介することもあります。また、身体はポンプのようになっていて、作物から吸った汁の分だけお尻から排出します。ハニーデューといって甘い “おしっこ” です。これが葉や果実の上に溜まって、少し乾くとベタベタになります。そのうちに黒いカビが生えてきて、果実が汚れると売り物にならないですね。上手な防除は、作物の葉の裏に数匹見つけたら、早め早めに殺虫剤を散布してください。特に葉裏に丁寧に散布するといいと思います。

開発部:瀬古

 

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“彼の名は。” 名も知らない虫たち ⑤

2018.02.24

嫌われ者の農業害虫にスポットを当てる “彼の名は。” 名も知らない虫たちシリーズが第5弾となりました。
今回は、これまでと少しテイストを変えて🐜シロアリ🐜を紹介します。
『おいおいシロアリは農業害虫じゃないんじゃないの?』と思われる方が多いと思います。そこで彼らのイメージがちょっと変わるエピソードも交えてお話ししたいと思います。

読者のみなさんのシロアリに対するイメージってどんな感じですか?多分、大切な家をボロボロにしてしまう “とんでもないやつ” といったところでしょうか?あまり知られていませんが、沖縄ではサトウキビを加害する農業害虫でもあるんです。但し、世界規模でみると、シロアリの大半は森の中でひっそりと暮らし、枯れた枝葉を土に還す極めて重要な役割(エコシステムエンジニア)を果たしている昆虫なんです。彼らのおかげでアマゾンなどの豊かな森が生き続けられるんです。

    

シロアリにはまだまだ面白いエピソードもたくさんあります。

例えば、シロアリの兵蟻(へいぎと読みます、兵隊蟻のことです)は、似顔絵のとおり大きなアゴを持ってますが、これは敵と戦うためのもの。エサとなる木材をかじるアゴはないために、職蟻(しょくぎと読みます、働き蟻のことです)からエサを食べさせてもらっているんです。そのため、兵蟻が増えすぎるとエサがもらえず餓死する運命にあるようです。まるでどこかの国の問題を浮き彫りにしているようですね。

また、シロアリを500匹くらいを丸い容器に入れて脅かすとパニック状態となり、羊や鰯の群れのようにみんなが同じ方向に一斉にグルグル回りだしたりするんです。直接お見せできないのが残念ですが・・・・。 

沖縄県などに生息するキノコシロアリという種類は、自分たちで菌を培養してエサとして育てています。ときどき巣の近くからキノコが生えてきて食べると結構イケるらしいですよ。油性のボールペンで適当な線を描き、その上にヤマトシロアリを放すとどうなると思いますか?なんとシロアリはその線の上を外れることなく歩きだすんですよ。これはボールペンのインクの中に、乾燥防止のために油のようなものが含まれています。この成分がシロアリの道しるべホルモン【ネオセンブレン-A】と似た構造を持った化合物だからです。

いかがですか?チョット捕まえて遊んでみたくなりませんか?

読者のみなさん、シロアリのイメージは少し変わったでしょうか?でもやっぱり我が家を食い荒らすシロアリは許せませんね。もし我が家で発見した時は、シロアリ業者さんにお願いしてしっかり防除しましょう。弊社からのシロアリ防除剤(新製品)もお使いいただければ幸いです。

 

開発部:瀬古

 

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